扉を閉められた。電話を切られた。追求をかわされた。
また僕を置いて行くのか、ルルーシュ。
だったら僕は、僕の道へ行くよ。僕は、ただ待っているお姫様なんかじゃない。
学園で偶然ルルーシュに出会う。ルルーシュの表情が一瞬曇りを見せた。きっと、面倒な人間に会ってしまったと思っているんだろう。
「ルルーシュ、」
「スザク、悪い。急いでいるんだ」
「君……」
「ナナリーを頼む」
息を切らしながら、スザクの横を通り抜けようとする。スザクは無意識にその肩を掴んだ。
「なんだ?」
「あ、」
「急な用なんだ。すまない。…授業には、出れたら出るから」
スザクの手を振りほどき、ルルーシュは背中を向けた。どんどん小さくなっていく背中を見ながら、スザクは何も言うことが出来なかった。
(約束してくれるかい?無理をしないって。)
(ルルーシュ、僕たち…友達だよな?)
その約束も確認も不確かで、今の二人には重すぎた。
七年前も、ルルーシュに言えずに後悔したことがあった。ルルーシュが帰ってきたら、自分の罪と後悔を伝えようと決心したスザクだった。
2008/03/28 終わり