嘘と本能

また嘘を重ねる。
君を守るための嘘だ。無理矢理自分を納得させる。
でも、ごめんルルーシュ。
僕は、僕を守るために嘘をついている。


「技術部と言っていたが……」

一瞬、スザクは怯む。だが、軍属の経験故か、そんな素振りは見せずに微笑む。

「兵力の供給とか、あるだろ?出張はだからだよ。ありがとう、数学の教科書。」
「ああ、気にするな」

ルルーシュは信じてくれただろうか。よく分からない。七年という時間が長すぎたのか、それともルルーシュが変わり過ぎたのか。……スザクが変わり過ぎたのか。

きっと、全ての要素が絡まりあって、もう戻せなくなっている。なのにスザクは、友達という関係にすがって、七年前の過去に捕われたままだ。

本当は、ひどく忘れたい思い出だというのに。

ベッドに座るルルーシュの膝の上に、遠慮がちに座る。肩から押し倒し、戸惑いながら視線を外した。その矛盾をルルーシュは受け止めてくれる。


「明日、早いんだろ?」
「うん、でも……」

泣きそうな声が出た。背中に手を回され、ぎゅっと抱き締められた。ルルーシュの指先が、切なく震える。

彼の方も迷っているのか、偽っているのか、苦しんでいるのか。スザクはそれを汲み取る余裕もないままに、現在の彼に過去の救済をせがんだ。

「ルルーシュ、キスして……」

新たな罪を重ねているという、自覚のままに。




2008/03/27 終わり
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