「…ク、スザク!」
「ん…、ルルー、シュ?」
聞きなれた声に目を開けると、あまり見たことのない彼の焦った表情が見えた。
「どうしたの?ルルーシュ」
「スザク、今日仕事があるって言ってなかったか?」
「あっ、」
ルルーシュの言葉に一気に覚醒して、枕元の目覚まし時計を見る。もう10時を過ぎていて、授業には到底間に合わない時間だ。
「ルルーシュ、授業は」
「俺はいいけど、スザクは確か午後から軍だろ?用意始めた方がいい」
ルルーシュを見ると、もうきっちりと制服を着込んだ後だった。髪が少し濡れているから、シャワーも浴びたみたいだ。
「ルルーシュが起きた時に起こしてくれたら、一限にも間に合ったかもしれないのに」
ふくれながら抗議したら、ルルーシュはやれやれと笑う。
「随分と気持ち良さそうに寝ていたからさ。起こすの悪いと思って。それより、ニ限にも出るつもりか?」
「当然だよ。僕はご好意で学園に通わせてもらってるんだから。ルルーシュ、先に行ってても…」
そこまで言ったら、ルルーシュがこつんと頭を叩いた。
「むぅ?」
「昨日は無理させただろ?シャワーもちゃんと浴びて、朝御飯もしっかり食べろ」
お兄さん、というよりはお母さんみたいに言うルルーシュがおかしくて、笑みが溢れる。優しく頭を撫でてくれて、唇が近付いたと思ったら軽く吸い付かれた。
「ルルーシュ、ありがとう」
「ほら、のんびりしてると遅れるぞ」
「はいはい」
スザクがベッドから立ち上がると、体が少し軋んだ。確かに無理をしすぎたみたいだ。ルルーシュが昨日の時点できちんと拭いてくれたけど、やっぱりシャワーは浴びた方がいいみたいだ。
「大丈夫か?」
「うん、じゃあ、行ってくる」
「付き合う」
ルルーシュが腰を支えて一緒にシャワー室まで付いてきてくれた。いつにない気遣いようで、スザクは少し戸惑う。
ルルーシュとこんな関係になった当初は、行為の後はどちらかというとルルーシュの方が疲れきっていたというのに、体力ついたんだなぁ。
スザクがしみじみと思いながら、シャワー室に入る。ルルーシュの戸口に立っている後ろ姿にもときめいてしまう程、今も彼のことが大好きなのだが。
シャワーノズルを手にとった次の瞬間、ルルーシュの言葉にスザクは顔面蒼白になった。
「スザク、しばらくするのはよそう。」
「……え、」
ルルーシュの言っている意味が分からなくて、しばらく沈黙が流れる。やっと理解した時には、心臓が嫌な音を立てた。
「嫌いになった?」
元々どうして好きになってくれたのかもわからない。スザクが不安げに問うと、ルルーシュがふっと笑った。
「その逆だよ。好きだから、無理はさせたくないんだ」
「……」
スザクは黙ってシャワーを捻り、まだ冷たい水を浴びる。ルルーシュが浴室のドアから離れて行く音が聞こえた。
ルルーシュの言っていることも分かる。ただ、好きなら体を重ねたい。この溢れ出す想いが、ルルーシュには無いのだろうか。理性で抑えられる程度の気持ちなのだろうか。
もう絶対、ルルーシュから言い出すまでしない。スザクは決心して、体を洗い始めた。
シャワーを浴び終え、リビングに向かうと、ルルーシュが作った朝食をテーブルに並べていた。
「これ食べたら行こうか」
「うん…」
スザクの好きな和食中心の食事。ルルーシュの向かいに座り、手を合わせる。
「いただきます」
豆腐の味噌汁を喉に流し込むと、温かな味に怒りの気持ちが和らいできた。
確かに最近ルルーシュとの行為を求め過ぎていた。そういうことは、日常生活に支障をきたさない程度に抑えるべきだ。
スザクは素直に反省して、ルルーシュに笑いかけた。ルルーシュは目を細め、肩をすくめる。
「美味しいか?」
「うん、ありがとう。日本食勉強してくれているの?」
「あぁ。すぐに機嫌を直してくれる便利な誰かさんがいるからな。」
「ルルーシュって時々ひどいよね」
「誰とは言ってないぞ」
時々意地悪で、いつもはひどく優しい。ルルーシュが優しさで思ってくれたことは尊重したい。スザクは前向きに思って、微笑んだ。
ルルーシュとの行為を断ってから五日が経過した。軍役を始める前にいつも行われる身体検査の時のことだ。
「うーん、」
「どうしたんですか?ロイドさん」
上官であるロイドが頭をひねっているので、スザクはベッドに横になりながら声をかけた。
「もしかして、どこか悪いんですか?」
「いや、いたって健康だよ。ただねぇ」
含みをもたせながら、さらけだしている両胸の突起をきゅっと掴まれた。
「っ!?ロイドさ…」
「やっぱり、ね。」
「は…?」
ロイドは突起を掴んだまま、スザクの顔をじっくりと眺めた。実験の時と同じく、デバイサーを観察する理性的な視線。
ルルーシュとは違う。
いつもはロイドの突発的行動にも軽くあしらえるようになっていたというのに、今は息があがってきてしまう。
「ロイド、さ…ん、」
痛いから離してください。そう言いたいのに、触れられた部分が熱くて、うまく拒絶できない。ロイドはスザクの様子を見て、口角をあげた。
「いつもなら全力で抵抗するのに、やっぱりたまってる?」
「なっ、…どうしてっ、」
直球の質問にうろたえると、ロイドはにやにやしながら続ける。
「判断理由?いつもより体温が0・5度高かったから。この状態じゃあランスロットの中で自慰されかねない。それも面白いけど、ランスが汚れるのは嫌だから今日は帰りなさい」
「でも…、」
屈辱的な言葉に眉をひそめたら、ロイドは真剣な顔になった。
「明日はなおしてくるように。パーツがないと、僕もつまらない」
「…すみません」
「君は真面目すぎるんじゃないかなぁ。」
スザクが謝ると、その不服そうな態度を知ってか知らずか、ロイドは目元にキスを落とした。
「ロイドさん?」
「さ、行きなさい。君は、与えられることを欲している。だったら、待っていてはいけない」
「…分かりました」
ロイドにまさかこんな風に指摘されるとは思わなかった。彼の観察眼を甘く見ていたようだ。
ここ約一週間、ルルーシュは宣言した通り何もしてくれなかった。スザクが泊まりに行っても、触れるだけのキスで一緒に眠るだけ。それはそれで幸せだけど、欲求不満だったのは事実だ。
「でも、僕なんかが求めても相手は迷惑なだけかもしれないです。拒絶されたらと思うと、怖いです。」
「君と逆、与えることで安息を得る相手なら、そんなことはないと思うけど。まぁ安心しなさい」
「?」
「拒絶されても、僕が遊んであげるから」
ロイドがウインクをして上着を投げ渡した。スザクもそのおどけた態度に不安が軽くなった気がした。
「ロイドさん、ありがとうございます。」
上着をはおり医務室を飛び出す。スザクの後ろ姿にロイドはひらひらと手をふっていた。
もしも拒絶されたら。考えるだけで苦しいけれど。ルルーシュはいつもスザクのことを思って言葉をかけてくれる。思いを注いでくれる。スザクの周りの人達も、スザクのことを思ってくれている。認めてくれている。
それを自信の糧にして、少し我が儘に生きてみよう。
ルルーシュの部屋の扉を勢いよく開けた。
「スザク、ノックぐらい…、」
「ルルーシュ!」
「っ?」
「僕を、…」
そこまで言って息が詰まる。いきなり誘ったことなんて、考えてみれば一度もなかった。いつもはどちらともなくキスをして、唾液を絡めてそういうムードになってからで…。気付くとルルーシュの唇に目を向けていた。スザクはドアを閉め、鍵をかける。
「どうした?そんなに焦って。また軍で何か…」
「ルルーシュ、」
「っ、」
椅子から立ち上がったルルーシュをそのまま床に押し倒す。ドクン、ドクン…、どちらのものかわからない鼓動が聞こえた。
「スザク…?」
「、キ…」
「?」
「キス、して欲しい」
ルルーシュを見下ろすと、ふわりと柔らかな笑顔があった。
ルルーシュに腕を掴まれ、そのまま体を引き寄せられる。だんだんと顔が近付き、彼の舌がスザクの唇をかすめた。
「もう寝るのか?」
「おやすみのキスじゃない方がいい」
スザクが熱っぽく囁くと、言葉ごと奪うようにルルーシュが唇を重ねた。
「ん、ふぁ…、」
食べられてしまうのではないかという位、唇を食まれ、舌で口腔を柔躙された。久しぶりの激しいキスに、呼吸の仕方も忘れたみたいだ。
「はぁっ、ルルーシュ…」
解放された口から酸素を吸い込みながら、愛しい人の名前を呼ぶ。ルルーシュはスザクの背中を優しく撫でて、落ち着かせてくれた。
「いきなりどうしたんだ?」
「ルルーシュ、」
スザクはルルーシュの名前を呼ぶ。熱を帯びた瞳を向けると、ルルーシュはゆっくりと息を吐いた。
「だめ、だ」
「どうして?」
「俺もお前も、もっと優先することがある」
「軍で言われた。欲求不満だって。」
「処理はしてやる。だけど、最後まではだめだ。」
「やだ。」
「お前を傷つけたくないんだ。」
ルルーシュの真摯な瞳が目に映る。どれだけの決意があるか見て取れた。けれど。
今はその優しさが、胸を締め付ける。
「俺の体はそんなにやわじゃない」
「っ、スザク?」
「優しくしないでいい。乱暴に抱いてもいい。ルルーシュになら、壊されたって構わない」
「スザク、」
ルルーシュの顔が悲痛に歪んだ。スザクの方も、涙が溢れそうになった。
「僕はルルーシュとは違う。見返りが欲しい。」
自分の醜い部分をさらけだして、ルルーシュに一方的にはきだして、受けとめてくれる優しい彼に甘えた。
不安はあった。けれど、抱き寄せられた彼の体はとても温かい。
「乱暴にはしない」
「意地悪は?」
「それはする」
ルルーシュの言葉にスザクはくすりと笑った。後頭部を引き寄せられて、もう一度キスされる。
ゆっくりと離れたかと思うと、今度は不敵な笑みのルルーシュと視線がかちあった。
「反応してるな」
「んっ、ルルーシュもっ、」
「我慢してたから」
「本当かな」
「本当に。」
ルルーシュは念を押すように声を出し、自身への愛撫を続けた。久しぶりに感じるルルーシュの指先に、スザクは身を震わせてしまう。
「はっ、ん……っ!」
勢いよく達すると、ルルーシュの手の平が白濁を受け止めた。そのまま塗り付けるように刺激を続けられる。
「ルルーシュ、もう…」
「だめだ。まだいけるだろ?全部出してやるよ」
「もしかして、やっぱり入れてくれないつもり?」
スザクが不安に聞くと、ルルーシュがぷっと吹き出した。
「スザクのいく時の顔見るのが好きなんだ」
「だから、僕はルルーシュと繋がっていきたいんだってば」
「繋がってると、快楽にいっぱいいっぱいでよく見れないんだよ、正直」
まさかそんなすれちがいがあったとは。しかし、空になるまで絞り出されてしまっては、ルルーシュをナカで感じるまでに、気を失ってしまいそうだ。
「安心して。ちゃんといれるから。…じゃあ、もう一回だけ。イってみて?」
「ぅん…それならいいよ」
スザクが了承しても、ルルーシュは愛撫を再開しない。不思議に思っていると不意に体を起こされ、ルルーシュに両腕を掴まれた。
「ルルーシュ?」
「腰使って、イって。」
「……、」
冷めた目を向けると、だめか?と上目で見つめられる。こんな腕、すぐ自由に出来るけど…スザクは立ち上がった自身をルルーシュの腰に擦り付け始めた。
「んくっ、……は、ぁ…」
もどかしい快感が続く。時折ルルーシュのズボンのスラックスに先端が引っ掛かって、快感を感じた。
「ふぁ、ぁんっ、…見るな、よ…」
「さっき言っただろ?見ていたいって。」
「…、変態っ、」
スザクが羞恥に悪態をつくとルルーシュが腰を動かし、スザクを刺激した。その瞬間、二回目の絶頂を迎えた。
「はぁ、ん…っ、」
スザクが息を整えていたら、ルルーシュがスザクの体を優しく押し倒した。
「あ、」
「どうした?」
「久しぶりだ、この視覚」
「スザクが俺を押し倒し過ぎなんだよ」
ルルーシュがくすりと笑い、スザクの首筋に痕を残す。接近した体の裏側に腕を伸ばして、固く閉じられた後ろに指を挿入した。
「ぁんっ、」
「きつい?」
「ん、ちょっと」
腰を持ち上げ、ルルーシュが挿入しやすいような体勢を取る。
「大分きつくなってる」
「ん…、」
「スザク、後ろ向けるか?」
「えっ、」
「舐めてやる」
言わなくても分かる。恥ずかしくて首を左右に振った。ルルーシュと向き合わない体位は正直苦手だった。
「いや…」
「早く欲しくない?」
耳を甘噛みされ、指先でナカを刺激されると、抑えが効かなくなってしまう。魔法のようなルルーシュの言葉に従い、彼に背を向けた。
「ひぁっ、ぁあんっ、ゃっ、あぁっっ、」
やっぱり苦手だと思う。愛撫のタイミングが掴みにくいし、ルルーシュの舌がナカに入れられていると思うと、ねっとりとした感触も感じる材料となって、おかしくなってしまいそうだ。
「もういいかな」
「ふぁ、ぁ…」
舌が抜かれ、指で入り口を爪で引っ掛かれた。スザクは頷いて、このまま入れられるのを阻止しようとルルーシュの方を向き抱きついた。
ルルーシュはスザクの頭を撫でてくれる。
「ルルーシュ、」
「よく我慢したな。偉い偉い」
ちゅ、とご褒美のキスをされたと思ったら、下からゆっくりとルルーシュ自身が入ってきた。まずは入り口を拡げるように何回かうねり、収縮する内壁を擦るように進んでくる。
「ルルーシュ、ルルーシュ…、」
「うん?どうした?」
「ルルーシュ、好き、…」
「スザク、俺もだよ」
まともな思考は働かないというのに、愛しさに名前を繰り返した。ルルーシュは久しぶりの行為にも関わらず、スザクが感じるところを把握していた。何度も何度も遠慮なく擦られて、際限なく快楽の波が押し寄せる。どうしていいのかわからなくて、ただルルーシュにすがりついた。温かな体温に安心する。
「やっぱり、キツクなってる」
「ん、ごめ…苦しい?」
「気持ちいいよ」
「っでも、僕はやだよ。ルルーシュの形、忘れるなんて…」
「スザク、早速決心が揺らぎそうなんだけどさ、」
「なに?」
「一日射精は二回…、じゃなくて、三回にしようか」
大真面目な顔で問うルルーシュに吹き出してしまう。彼なりに譲歩してくれたのだろう。行為を断つ前と、あまり変わらない回数だと当然気付いているはずだ。
「イエス、了解だよ。」
「動くぞ」
「あっ、ちょっと待って。…ん、」
スザクは自身を塞き止めるように掴んだ。もうすっかりかたくなっている。
「スザク?」
「僕、もう二回イっちゃったから。最後はルルーシュとイきたいから我慢する」
「もう…、馬鹿」
「ルルーシュ?」
「俺は別に、三回イかなくてもいいから」
「でも僕、ルルーシュのが気持ち良すぎていっぱいイっちゃうと思うから…」
「わかったよ。」
「えっ、」
くるっと視界が反転して、ルルーシュに押し倒される形となった。両足がルルーシュの体重で思いきり広げられていて、たちあがっている自身が震える。
「好きなだけ、イって。今日は許すから」
「えっ、ひぁっ、ふぁっ、ルルー、シュ?ゃっ、いきなりっ、ぁあんっ…!」
ルルーシュがスザクの自身を扱きながら、激しく動き始めた。ナカからルルーシュの先走りと一緒にグチュグチュと卑猥な音が聞こえた。
「ぁっ、あんっ、あっ…ふぁ、あぁっっ…」
泣きそうになるほど感じきったスザクを、ルルーシュはじっと見つめる。スザクの好きな先端への刺激も絶えず続けると、ピュクピュクとかわいらしく精液が吐き出された。
「あっ、ゃ…ナカ…」
「ここっ、だよな?ここを擦ると、スザクは止まらなくなっちゃうんだよな…?」
「もっ、やだっ…、もっとゆっくり…っ、」
スザクが首を左右に振る。与えられる快楽が強すぎてどうにかなってしまいそうだ。
「安心しろ。何回だってしてやるから」
「ルルーシュ、ほんと?」
「嘘なんてつかないよ、くっ、」
収縮を繰り返すナカに、ルルーシュの温かな体液が注ぎ込まれた。
「いっぱい出た、」
「まだまだ、もっといいだろ?」
「うん。もっとちょうだい」
「スザク、好きだ」
ルルーシュの甘い囁き。それだけで達してしまいそうになる。今度はルルーシュ自身を覚えさせるように、ゆっくりと腰を動かし行き来された。時折精液が混ざり合う音が、興奮を強める。
「んっ、ルルーシュ、一人でシた?」
「なにを?」
「っ、わかってる癖に」
「シてないよ」
「やっぱり…」
ルルーシュが淡白なのは知ってたけど、なんだか自分ばかりが思っているみたいで、恥ずかしくなる。
「ぁ……」
「ずっとスザクに欲情してたよ」
「んぅ…じゃ…ぁ、なんで…」
乳首を食まれ、くぐもった声が出てしまう。
「夜、自分の腕の中で眠るスザクが可愛くて、大切にしたかった。この時間を失いたくなかった。それでもさ、」
「あっ、」
ゆるゆると前律線を刺激され、いよいよ理性も飛んでしまいそうだ。けれど、ルルーシュの言葉に耳を傾ける。
「朝起きると夢精してるんだ。馬鹿みたいだろ」
「ぁっ、あっ、あぁっ……!」
なにかが弾けたかと思うと、またルルーシュのお腹に射精してしまった。
「一週間たったら、自分から言おうと思ってたんだよ」
「ん、む…」
唇を塞がれた。再び自身への愛撫。ひりひりと自身が痛む。こんなに続けたのは、初めてかもしれない。
でも、うれしい。
ルルーシュがスザクを求めてくれていることが、なにより嬉しかった。
スザクはぎゅっとルルーシュの体を抱き寄せる。
「スザクは、シた?」
「シた。いっぱいシたよ。でも、ね、後ろはダメだった」
「どうして?」
「指だけじゃイけなくて、もっと欲求不満になるんだ」
「ごめん、」
「もうルルーシュじゃないとダメなんだ」
「ふっ、責任取るよ」
「離さない、から」
羞恥にルルーシュから目をそらすと、額にキスをされる。
律動が再開された。ルルーシュ自身がきっちりとスザクに埋め込まれている。その様子が分かるほど両足を拡げられている。ルルーシュがぎりぎりまで出たり入ったりするのが目に入った。スザクは激しく腰を揺さぶられながら、あえぎに近い声を発した。
「ねっ、はぁっ、んっ、、ルルー、シュっ」
「っ、どうしたんだ?」
「ぁっ、…夢の僕、どうだったのっ、」
「言えない、」
「僕っ、…全部するからっ、」
「うん?」
「ルル、…シュのしたいこと、してほしいこと、…っ、全部するから、ね…」
ルルーシュ自身が震えて、再び大量の精液が注ぎ込まれた。お腹からたぷたぷと音が聞こえそうなほど、ルルーシュで満たされている。後口の隙間からトロトロと流れ出て行く精液を塞ぐように、ルルーシュの指が挿入された。
「感じたの?ルルーシュ?」
「スザク、お前も言えよ。俺にしたいこと、してほしいこと。」
「ぅん…。…お腹、きついよ。ルルーシュのでいっぱい…」
「もう一回。ダメ?」
「いいよ…」
うっとりとスザクはルルーシュに口付ける。甘い唇は更なる熱を残していって、果てのない快楽の波が再び押し寄せてきた。
スザクは幸せな気持ちで目を閉じた。
2007/6/13 終わり