僕ら二人で出来ること

「ぁ、…ルルーシュ…」

思った以上の可愛さだ。ルルーシュはごくりとつばを飲み込んだ。
今日は初めて、スザクがルルーシュの部屋に泊まりに来た。
軍職に従事しているスザクとは時間が合わないことが多かったのだ。
A型らしく、綺麗に片付けられた部屋に、スザクが感心している途中で、真っ白で清潔なシーツに半ば早急にスザクを押し倒した。
そのときこぼした、熱っぽいスザクの声に、胸の高鳴りを自覚する。

潤んだ瞳が薄暗い部屋の中、じっとルルーシュを見ていた。
なぜだろう、ひどくのどが渇く。スザクの指先をきゅ、っと掴むと、安心した。

「ルルーシュ、緊張してるの?」

スザクの眼が妖艶に細められた。その表情にあおられながら、噛み付くようなキスをした。

「ん、ぁ、…ふぁ…」

キスの合間に漏れる吐息が好きだ。あまりに切なげで心配になってしまうこともあるけれど、征服欲をも満たしてくれる。
スザクの腕がルルーシュの背に回された。二人の距離がゼロになる。
舌を絡めながら、ルルーシュはスザクのシャツに手をかけた。震えそうになる手を叱咤しながら、ひとつひとつはずしていく。
鍛えられた筋肉と、滑らかな肌が露になると、スザクは目元を赤めて目をそらした。
つ、と指先でスザクの胸の突起に触れた。感じるのか、ぴくんと体が揺れる。
その後きゅ、っと立ち上がらせ、さらに愛撫を施そうと思ったら、スザクの腕に止められた。
まさかここまできて…?とひどくあせりと覚えたら、再び可愛らしくスザクがこちらを見上げてきた。

「スザク?」
「ぁ…ルルーシュ、の」
「うん?」
「ルルーシュの、気持ちが知りたい、…」

ルルーシュは驚いて目を見開いた。それから合点がいった。
想像の中ではもう何度もスザクに伝えていた本心を、確かに言葉にしたことはなかった。
気恥ずかしさとともに、スザクに押し付けるようでいやだったのだ。
唇は何度も重ねたことがあったというのに、矛盾していたかもしれない。
素直に反省して、スザクの耳朶にちゅっとキスをした。

「好きだよ。スザクを抱きたい」
「ルルーシュ、」

スザクの声が震えていた。喜んでいるのか、泣いているのか、わからない。
でもそれも愛しいと思う。

「ルルーシュ、好き、好きだ…」

幸福というのはこういうことを言うのだと思った。スザクの表情を間近に見れて、甘い吐息を感じられて、ルルーシュは微笑んだ。
スザクの頬にちゅく、と吸い付いてから、再び愛撫を始めた。

「ぁ、ん…」

空いている方の左手を、ぎゅっとスザクが掴んだ。快楽にか、緊張にか、ひどく熱くで震えている。それはルルーシュも同じだった。
ぷくりと立ち上がったピンク色の突起を、今度は口に含んだ。官能を刺激する音を立てて、甘いそれを存分に味わっていく。

「はぁ、ルル、…」
「スザク、可愛い…」

密着している腰がぴくんと震えた。お互いに存在を主張し始めているのだと気付く。
ルルーシュはスザクのズボンをそっと下ろし、体を下にずらしてスザクの足を割り開いた。

「ぁっ、ゃ…」

先端から先走りをこぼしながら全てを曝け出すことに羞恥を感じるその姿に、ルルーシュは興奮を覚えた。
立ち上がったスザク自身をそっと口に含んだ。
くちゅくちゅと舌を絡めて味合っていくと、ずっと熱望していた行為にだんだんと夢中になっていく。

「ふぁ、ん…ルル、シュ…」
「気持ちいいか?スザク?」
「ぅ、ん…、も…いっちゃう…」
「いいよ、いって?」

ルルーシュが先端を強く吸うと、スザクは頭を左右に振りながら達した。
口の中に吐き出されたそれを、ルルーシュは最後まで飲み干した。苦味さえも幸福の味に変わる。

「いっぱい出したな。」
「ぁん、ごめんなさ…」
「いい子だっていってるんだよ、なぁ、スザク…」
「?」

自分でも切迫した声が出てしまったと少し後悔しながら、ルルーシュはささやいた。

「いれて、いいか?」
「駄目。」
「えっ、」

即答された返事に、ルルーシュのこめかみから変な汗が流れた。
スザクが頬を膨らませて、ルルーシュの体を引き寄せる。

「後ろ、慣らさなきゃ入らないよ。」
「んくっ、」

スザクの指先がルルーシュの口につっこまれた。
いきなりだったので、苦しそうな声が出てしまう。

「舐めて?そぅ、もっと濡らすように」
「ん……」

指先一本一本に舌を絡ませ、スザクの言われるようにする。スザクの方も行為に没頭し始めているのか、指の間に舌差し込むといっそう高く喘ぐようになる。
息が荒くなるほどに舐めた後、口から指が抜かれた。

「スザク?」
「くぅん…」

スザクが濡れそぼったその指を、自身の後口に突き刺した。その行為に驚きを覚えながらも、ルルーシュはさらに局部が見えるようにスザクの足を開いた。

「ぁ、はぁ、ん、ルルーシュぅ…」
「見られると、感じる?」
「ふぁ…ゃ、…」

スザクの指がナカから出たり入ったりを繰り返す。始めは一本でもきつそうだったのに、だんだんと収縮を繰り返してもっと飲み込みたそうに変化していく。
己で己を解かすというスザクの行為に思わず見入ってしまう。
ルルーシュはめまいがするほど淫猥なそこにふ、っと息を吹きかけると、そっと指を挿入した。

「ぁんっ、」
「手伝うよ、何本まで入れば大丈夫?」
「ん、くっ、三本…、」

たっぷりと濡らしたスザクの指のせいか、ナカはひどく湿っていた。
前の方の先走りも蕾のほうに流れこんできて、ソコはもうルルーシュを受け入れられる程なのではないかというほど熱く誘っていた。

「随分慣れてるけど、軍で何かあった?」
「っ、ちが…」

スザクが泣きそうになりながら首を振る。ルルーシュは指の抜き差しを早める。人差し指に続いて中指もつぷりと挿入した。

「ごめん、無粋なことを聞いた」
「ぁ、ひとりで、…」
「うん?」
「ひとりで、…シたから…」

言葉尻小さく恥らうその姿に、ルルーシュは身も心も魅了されてしまった。スザクの指とルルーシュの二本の指が、狭い内壁を広げるように動く。
もう我慢は限界だった。スザクのかわいらしさにあおられるだけあおられて、正直完敗だな、とルルーシュは思った。

「スザク、もういいか?」
「ぅ、ん…ルルーシュの…欲しい」

こくんとスザクが頷いた。指を抜いて、猛った自身を入り口にあてがう。
狭いソコは指を失って、何かを求めて収縮を繰り返す。
スザクは両手で後口を開き、誘うように腰を動かした。
そっとスザクの腰を引き寄せ、濡れた音を立てながら挿入を開始した。
熱い内壁のあまりの狭さと締め付けに、ルルーシュは眉をひそめる。

「ぁ、ルル、…シュ」
「ごめんな、キツイ?」
「っふぁ、だいじょ…ぶ」
「とりあえ、奥まで、いいか?」
「ぅんっ、ちょ…だい」

スザクの方もきつそうだ。けれど、やっと初めて体をつなげられた喜びに、半ば陶酔しきっている。ルルーシュも同じだった。
やっとのことで根元までの挿入を果たすと、二人で息を整える。

「大丈夫か?スザク?」
「うん、ルルーシュ、は?」
「気持ちよすぎるよ、お前のナカ…」

会話をすればそのたびに、つながった箇所から大きな快感が走る。ルルーシュが言うと、スザクはうれしそうに目を細めた。

「ねぇ、ルルーシュ?」
「?」
「っん、僕たち…やっと…」
「うん、」

最後まで聞かず、唇をふさいだ。そのまま腰を律動させると、スザクは喘ぎを我慢するように舌を絡めた。
やっと二人でひとつになれた。その言葉をスザクから聞いたら、きっと果ててしまうくらいの快感を生むだろう。
それはさすがに恥ずかしすぎるから、ルルーシュは行為を再開した。余裕がなくて申し訳ない気持ちもあったために、甘い言葉を繰り返す。

「ぁ、ルルーシュ、激し…」
「スザク、好きだ、好きだよ…」
「ぁんっ、ぁ…、あっ、ルルー、シュ…!」
「くっ、イって…いいか?」
「ぅん、出して…僕に…、ルル…ひぁっ、あ!」

切なげに細められたスザクの自身を強く擦ってやると、ナカの収縮が激しくなった。
ルルーシュは小さく喘いでスザクのナカに欲望を打ち付けた。
先端に爪を立てると、スザクも自身から白濁を吐き出す。

「ルルーシュ、好き…」

じわじわと浸透していくような内壁が、ジュクジュクと音を立てた。スザクの笑顔がうれしくて、柔らかな髪にキスを落とす。
背中に腕を回して、甘えるように抱きついてくるスザクが愛おしくてたまらない。

「スザク、俺たち、」
「うん、やっとひとつになれたね。」

はにかむスザクに唇をねだられて、再びちゅっと吸ってやった。
やっぱり完敗だな。ルルーシュは幸福な気持ちでスザクを抱きしめた。


2007/4/16
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