「スザク、大丈夫か?」
ルルーシュがシャワーを浴びて自室に戻ると、先に風呂を済ませたスザクはくったりとベットに横になっていた。また軍で何かされたみたいだが、決して口にしようとはしない。枕元に顔を埋めながらも律儀にこくんと頷いた。
「ほら、こっちを向け。」
仕方なくまだ湿った髪に触れると、ぴくぴくと動いた。スザクが髪に触られるのが好きなのは知っていた。
柔らかな髪一本一本を指ですくいとって、軽く撫でてやる。それでもまだこちらを向いてはくれないので、最低限拭いた体のまま後ろから抱き締めるように、ベットに潜り込んだ。
ぴちゃ、まだ濡れたままのルルーシュの髪から水滴が垂れる。シーツが濡れてしまうのも気にせずスザクの首筋にキスを落とした。
「もう何も聞かないから。スザクが言いたいことだけ言えばいいよ」
この強情。ルルーシュは心のうちでため息をつき、それでもつとめて優しい声をかけた。スザクの体をぎゅっと引き寄せると、のそのそと体を動かして、ルルーシュと向かい合って抱きついてきた。
「器用だな」
「ルルーシュ」
「なんだ?」
熱った頬をすりよせながらスザクは不安げにルルーシュの名前を呼んだ。続きをいつまで経っても言わないので、引っ付いている体を少し離して、指を絡める。
「スザク、目が赤いよ」
少し腫れてしまっている目元をぺろりと舐めてやる。スザクはきゅっと唇を結んで、ルルーシュを上目使いにじっと見つめた。
申し訳なさそうな顔をしている。だからと言って、ルルーシュに謝罪の言葉を向けたら理由を問われるだろうから、それが出来ないみたいだ。
「俺が信じられない?何も聞かない。スザクが言いたいことだけ、聞くから。」
きゅっと、指先の力を強めた。トクン、トクンと心音が伝わる。スザクは控え目に唇を尖らせて、ようやく口を開いた。
「ルルーシュ、」
「うん?」
「僕、ルルーシュのことが好き」
ルルーシュはふっと目を細めた。嬉しいことを言ってくれる。だからと言って、何も話してくれないことを許すわけではない。いや、何か罰を与えるか否かという観点からは確実に許すだろうが、笑って納得することは出来ない。
「ルルーシュ……、」
スザクの舌先がルルーシュの唇をノックした。例え納得出来なくても、どんなに苦しい感情が沸いても、今は。傷ついたこの可愛い恋人に優しくしてあげたい。ルルーシュはそう素直に思い、唇を開いた。
「ん、……くぅ、」
スザクの舌を自分のそれで捕まえて、強く吸った。それだけで感じたみたいで、ぴくぴくと密着した体が動いた。そっとはだけていたパジャマに手を入れると、既に立ち上がった胸の突起にたどり着く。指を擦り合わせるように刺激してやると、キスの合間からかわいらしい声が聞こえ始めた。
「んぁ、ふぁ……」
「スザク、なんか…大きくなった?ここ」
ルルーシュは指に当たる粒の大きさに違和感を感じ、いっそうそこを刺激した。スザクがビクンと反応して、それから唇を離してしまった。
「昨日いじりすぎちゃった?」
「ルルーシュ、」
「大丈夫だよ、すぐに元に戻る」
それから突起だけではなくて、胸全体を揉んでやる。肥大化しているピンク色の突起が痛い位に震えた。
誰に何をされたかは分からないが、全部忘れさせてやる。ルルーシュは安心させるようにスザクの頭を撫でてやった。
「ルルーシュ、ごめん、ね」
ようやく、スザクが謝罪の言葉をくれた。別にそれが欲しかったわけではない。咎めたかったわけではない。ただ、そうやって申し訳なさそうにしているスザクを笑って許して、安心させてやるのがルルーシュの専売特許なのだ。
「いいよ、気にしないで」
優しい微笑みを浮かべ、首筋にキスを落としてやる。再びスザクの胸を揉み始めると、くすぐったいのか感じるのか、スザクは身をよじった。
「ゃ…そこばっかり」
吐息混じりの拒絶は全く説得力がない。これくらい許されるだろうと、今度はかわいらしく立ち上がったその突起を口にくわえた。ちゅぷちゅぷと音を立ててその味を確かめる。もちろん胸全体を揉むのも忘れずに。
「ん、くぅ……」
胸への愛撫にスザク自身が反応を見せ始めた頃に、触り心地の良い尻へ手を伸ばした。胸に顔を埋めるルルーシュの頭を、急かすようにぎゅっと抱き込める。
「ゃ、…そんなに揉まないで…」
スザクのかわいらしい性感体を、ここぞとばかりに揉みつつも、既にパジャマをビチョビチョに濡らしているそこには触れないでいる。ルルーシュはいつも待っている。自信がなくて、確証が持てなくて、それでも糧になる、スザクが自分を求める言葉を。
「ルルーシュ、も、入れて…!」
「前は?いいのか?」
「ぅん…、早く…!」
スザクが泣きそうに訴えた。固くすぼまったそこを拡げようと、指先をつぷんと挿入する。ルルーシュのまだ濡れた体に、いっそうスザクはすがりついた。
「ぁ、ん……早く、」
「まだ、もう少し待て。傷つけてしまうから」
「早くしないと、イッちゃうから、」
「いいよ?」
「ゃ、だ…!」
スザクはルルーシュの自身に指を絡め、刺激し始めた。ルルーシュは小さくあえぎ、スザクの柔らかな髪に顔を埋めた。
「ぅ、んぁ、…ルルー、シュ、一緒に、」
「…入れるぞ」
いつもより余裕がない声が出た。ルルーシュはスザクの後口に自身をあてがった。収縮を繰り返すそこに、ぐっと腰を一気に進めて、最奥へと突き刺す。
「ぁっ、ルルー、シュ、ルル、……」
「スザク、スザク…、」
名前を何度も呼び合った。繋がった箇所が焼けるように熱い。普段よりも解かす時間は短かったが、切れてはいないようで安心する。
「ぁっ、あ、ん、ルルーシュ…!」
一度も触れないでいたスザク自身を両手で包んで揉んでやると、ナカがきゅっと締まった。先端を擦るように刺激すると、限界が近いのか、高いあえぎ声が漏れる。
「スザク、一緒にイこう……!」
「ぅ、んっ、はぁっ、ぁ、っ、」
ピクン、とかわいらしく先端が律動したかと思うと、白濁がそこから吐き出された。ルルーシュも同時にスザクのナカへ欲望を注ぎこんだ。
「ルルーシュ、」
かわいらしくキスを求めるスザクに、ルルーシュは唇を近付ける。至近距離で二人は見つめ合って、それから笑みを溢した。
ちゅ、ちゅ、と鳥のようにキスをして、余韻に浸っていたら、ルルーシュのもやもやとした気持ちも薄れてきた気がした。ルルーシュを呑み込んだままのスザクは、少し体を下にずらし、ルルーシュの乳首をはむっと口に含んだ。
「どうした?スザク」
「んむ、気持ちよくない?」
「くすぐったいだけだよ」
笑いながらスザクの頭を撫でる。と、むっとしたのかあま噛みしたり、先端をぺろりと舐めたり、愛撫を繰り返す。その様子が母乳を懸命に吸おうとしてる赤ん坊のように感じた。ルルーシュはスザクの頬を軽く引っ張った。
「むぅ?」
「スザク、俺のを舐めて感じた?」
「ぇ、…ゃあ!」
「またキツくなった」
繋がったままの腰を少し動かして、再びスザクを押し倒す。濡れていた髪はもうすっかり乾いていた。
この感情はきっと、母性にも似ている。
ルルーシュは自分の愛情をそう解釈して、かわいらしいピンク色の唇を性急に塞いだ。
2007/11/7 終わり