今日はルルーシュが部屋にいない。
一人だけの部屋はなんだかさびしくて、スザクは軍服のまま帰ってすぐにベッドに横になった。
几帳面なルルーシュには珍しく、布団の上に彼の制服の上着がぞんざいに置かれていた。
よほど急ぎの用事でもあったのだろうか。
そっとその上着に手を伸ばした。眠気のきている朦朧とした頭で、その上着を体で抱き込めると、ルルーシュの匂いがした気がした。
「ん、んぅ…」
いつも一緒に寝ているベッドで、まるでルルーシュに抱かれているような気分になってしまう。疲れているせいか、切迫した興奮というものではないのだけれど、下肢が簡単に熱を持っていくのがわかった。
「ん、ルルーシュ、」
そっと名前を呼ぶと、ますます反応を見せてしまう。触れてもいないのに、こんな風にして。ルルーシュのからかうような笑みを思い出して、切なくなった。全く彼はいったい、どこに行っているんだろうか。
「っ、」
罪悪感にさいなまれながらも、きつく押し上げてきているスラックスに手をかけた。そっとソコに触れると、あと少しで達してしまいそうなほどの熱を持っている。ルルーシュの丁寧な愛撫を思い出しながら、スザクは両手でソレをしごき始めた。
「ぁっ、…ん」
鼻にかかった声が漏れる。自身の声を聞くのがいやで、シーツに顔を押しつけた。
根元を何回か絞るようにスライドさせただけで、先端からは濡れた音が響き始めていく。
「ぅっ、ん、、くぅ……ん」
生理的な涙が頬を伝う。我慢をしようとしているのに、自然と腰が動いてしまう。そのせいで清潔に整えられていたシーツはぐちゃぐちゃになってしまった。
ルルーシュが帰ってきたらどうしよう、なんて思考も、先端を抉るように指で探れば、すべて飛んでいってしまう。
『スザクは先っぽが好きなんだよな』
ルルーシュの楽しそうな台詞を思い出して、ビクン、と体が反応したかと思うと、シーツを汚してしまった。
クチュクチュと先端をシーツにこすりつけて、残滓を全て吐き出す。
「ぁん、……ルルーシュ、っ…」
もう一度、そばにはいない彼の名前を呼ぶ。だんだんといないことに腹が立ってきて、それから悲しくなってきて、ルルーシュの上着の袖をそっと口で食んだ。後で洗おう、なんてそこだけ理性的に思考しながら。
スザクの体は一回では満足できないみたいで、けれどどうしたらこの熱を沈められるかもわからない。
そっと、軍服のボタンを胸元だけ外して、中に手を入れた。
ぷくり、と小さな突起に指先が当たって、そのままそれをぎゅっとつまむ。
本当はルルーシュに舐めてもらう方が好きだけど、自分では出来ないから。
「ふぁ、ん……」
切なげに眉をひそめながら、そっと腰を上げて、四つん這いのような格好になった。空いている方の左手で、固く閉じきっている後ろに手を伸ばす。
「ん、むぅ、、ぁっ、」
上着の袖口についているボタンをころころと舌で回しながら、指でナカを探る。と、狭い内壁のある一点で、しびれるような快感を生む場所を見つけることが出来た。
「ん、くっ、……」
クチュクチュと前と後でみだらな音を発しながら、スザクは指でソコを何度も刺激する。しかし、指一本だけではソコにはなんとか届くくらいで、決して満足に触れることができない。胸の突起は弄りすぎて、片方だけが真っ赤に腫れ上がってしまっていた。
最低限に肌を露出させている軍服は、涙や精液ですっかり濡れてしまっている。口元に押さえつけられた制服も、行為の痕は洗わなくては消せないほどになっていた。
「ルルー、シュの、ばか……」
早く帰ってきて。
薄暗い部屋の中、息を荒げながら、スザクはそれだけを願った。
2007/9/30 終わり