「ロイドさん、ちょっといいですか?」
今日は軍の仕事があるので、授業は午前中だけで抜けてきた。軍に向かう移動中は気付かなかったのだが、到着して軍服に着替えはじめた辺りから、頭痛が始まった。試乗訓練が始まるときには、寒気を感じるようになり、パイロットスーツに着替える前に上官であるロイドに声をかけた。
「んー?どうしたの、スザクくん」
「実はさっきから寒気がして。」
ロイドは貴族ということもあってか、軍隊特有の厳かな雰囲気がない、話しやすい存在だ。スザクのことも重務時以外は役職ではなく名前で、それこそ親しみをこめて呼んでくれる。具合の悪そうなスザクの様子に、いつも飄々とした読めない表情が少し曇った。
「何?風邪?それは大変だ…、あ。」
しばらく唸っていたと思ったら、何かを思いついたらしい。首を傾げるスザクを尻目に整備室を出て行ってしまった。
「ちょ、ロイドさん?どこに行くんですかー?」
「ちょっとそこの椅子に座って待ってて。」
どこまでもマイペースな人だ…、スザクは呆れながら、ナイトメアを見渡せる位置にある椅子に腰を下ろした。真ん中にはスザクが乗るランスロットが黄金に輝いている。堂々とした立ち姿に、誇らしさと後ろめたさとを感じる。
また戦場に出て、戦わなければいけないのか…。
アシュフォード学園での生活を思い浮かべた。無邪気に笑う友達はいつのまにかかけがえのない存在になっていた。彼らが軍で、それもナイトメアフレームに乗って戦う自分を知ったら、どんな風に思うのだろう。最初は認めてくれるかもしれない、けれど、それから与えられる畏怖の視線を、スザクは容易に想像できた。日本の最後の首相、枢木玄武の息子だと知られたときのような、あの目を皆向けるだろう。
ぼんやりとした頭に、七年越しの再開を果たした幼馴染が浮かんだ。冷静で、潔癖で、厳しくてやさしいルルーシュ。もしも彼がスザクの本当の姿をしったら、どうなるのだろうか。怒るだろうか、褒めるだろうか、心配するだろうか。きっと何も言わず、ぐるぐると一人で抱え込んで、でもそれでもスザクの友達でいてくれるんじゃないか。だったらいいのにな。スザクはふっと笑った。
電子音が鳴って、扉が開かれた。ロイドの顔は楽しそうに輝いている。
スザクがロイドの方へ歩こうとしたら、いきなり座っていた椅子から出てきた金属の拘束具に、両手両足を巻きとられてしまった。
「!?」
「実は、いい薬を開発したんだよ」
それはいいけれど、どうして拘束されなければいけないのか。スザクは不審に思ってロイドをにらみつけた。
「そんな怖い顔しないしない。安心して、僕、こう見えても医者免許持ってるから。」
「拘束をはずしてください、ロイドさん」
「いや、暴れられると困るからねぇ。」
「暴れるようなことをするんですか」
「実験だから。可能性はあるでショ?」
ロイドはスザクの剣幕をよそに、マイペースにスザクの軍服を脱がしにかかった。唯一自由な首を左右に振り、拒絶の意を示す。ロイドはいっそう楽しそうに、スザクの足を開いた。
「君は大事なパーツだから、死ぬようなことはしない。大丈夫だよ。」
「!?」
両足をぐっと持ち上げられ、さらに固定されてしまった。ズボンの上から後口を指で押された。ゾクリと腰が震えてしまう。
「まずは熱を測ってみようか」
冷たい手を額にあてられ、気持ちよくて目を瞑る。
しかし次の瞬間、有無を言わせずズボンを下ろされて、びっくりしてロイドに目を向けた。
「ロイド、さ…ん」
「どうもありそうだねぇ…」
後口をロイドに向けてさらす体制になり、恥辱を感じ唇をかむ。抵抗もむなしく、ロイドは無情にも細長い体温計をスザクの蕾にぷつんと挿入した。
細いとはいえ穴を押し開けるような感覚に、眉間にしわを寄せる。ロイドはわざとらしくうなずきながら、小刻みに体温計をナカで動かした。
「ぁ…」
「ん?感じちゃったぁ?」
いつもと変わらぬ落ち着いた口調で聞かれる。スザクは無言でロイドをにらみつけた。
しかしそんな虚勢ももはや通じないようで、いきなり体温計を抜かれたことに驚いてしまう。
ビクンと震える体に、ロイドが笑みを浮かべた。体温計の次は、指を埋め込まれる。圧迫感に眉をひそめていたら、ひんやりと冷たい感触が浮かんだ。
「ぁ…くっ、ん…」
ぴちゃぴちゃと液体を垂らされたかと思ったら、ナカの指を無遠慮に動かされた。
「あ、の…ロイドさん?」
「なんだい?」
「これ、薬…?」
視線を下げると、見るからに怪しいピンク色のジェルが塗りたくられていて、スザクは疑問に思う。肌に触れたその液体がじわじわと、体の奥に入り込むように熱を生み出し、スザクは混乱してしまう。
「これは薬を入れるための準備。もういいかな?」
「ひぁ、く…ん」
「君、ほんとに感じやすいんだねぇ。」
耳たぶをかみながら、ロイドは吐息でスザクを煽る。ロイドの指は的確にスザクの前立腺を攻め立てて、スザクは快楽に目に涙を浮かべた。
「そんな、準備しなくて、いいです。はやく……」
「なんだかその気になりそうだねぇ。ま、もう大丈夫かな。じゃあ…」
言うとロイドはその手に太い注射器を取り出した。ナカに入っている液体は透明だが、かなりの量がある。
もしかしなくても、ソレをココに入れるの…?スザクが状況を理解して顔面蒼白になった時点で、もう遅かった。
「ぅっ、あぁっ」
「その声、いいねぇ。」
いきなりだったので声を我慢することが出来なかった。悲痛にのけぞってのどを震わす。
くちゅ、くちゅ…冷たい液体が丸みを帯びた注射器からどんどんスザクのナカに進入していく。先ほど十分に慣らされたおかげで痛みはなく、すんなりと全部飲み込むことが出来た。お腹の中のたぷたぷとした感覚にスザクは眉をひそめる。
「全部入った。」
「ぁあ…、ふぁ…早く…、抜いてくださ…ぃ」
苦痛にゆがめる目には明らかに色を帯びている。内壁がじわじわと熱くなっていき、収縮を繰り返している。明らかに熱は上がり、体調が悪化している気がして、スザクは喘ぎ喘ぎ抗議した。
「最初は催淫効果のせいでつらいけど、熱が即効下がってすぐ楽になるよ。体内の菌も殺すことが出来て、一石二鳥。」
「さい…いん」
スザクは脱力した。何を以って一石二鳥なのかは疑問だが、どうしてこんなにみだらな気分になるかの説明はついた。ただ、熱が下がるまではどうしようも出来ないという絶望が増しただけだが。不意にルルーシュの顔が浮かぶ。それだけでズクンと腰が揺れた。彼の吐息、感触、全てが頭に思い浮かんでしまって、困惑する。
「ろいど、さ…早くぬいて…」
「うーん、でも薬品を完全に吸収させないとね。」
言うとロイドはスザクを塞いでいた注射器を抜いたかと思うと、すぐさま埋めるように何かを突き刺した。見ると紫色のグロテスクな機械。ちょうど男性器の形を模していて、スザクは信じられない表情をロイドに向けた。呂律の回らなくなった口で懸命に叫ぶ。
「な、んで…」
「我慢できなくなったらこれで遊ぶといいよ。気付いたら治ってると思うよ。」
語尾にハートがついているような口調で、悪気なさそうににこりと笑った。入り口に出ている紫色のソレを指で微妙に動かすと、感じすぎておかしくなってしまいそうだ。腰をもどかしげに動かしていたら、はい、とリモコンを渡された。手足の拘束具もワンタッチではずされて、ぐったりとスザクはロイドに体を預けた。
「ちょっと熱上がっちゃったかなぁ?」
「はぁ、…ロイドさんのせいですから」
「ごめんごめん。スザクくんが可愛くってつい…。じゃ、僕仕事があるから、今日は帰ってゆっくりしなさい」
「ぇっ…」
まさかこのままの状態で放りだされると思っていなかったスザクは心もとなさを感じた。まだ一度も触れられていないのにたち上がったスザク自身は、先走りの涙を流して震えている。その先端をロイドは、余裕の笑みで指ではじいた。
「ぁ、…」
「一番好きな人にたくさん愛してもらいなよ。一番の薬になるから。」
ウインクをして、頬にちゅ、とキスをされる。丁寧に下着とズボンを着せてくれ、軽やかな足取りで部屋を出て行ってしまった。
まったく、勝手な人だ…。スザクは呆れながら、一度腰を下ろした。じわじわと体の奥がうずく。前の方も、少しの刺激で達してしまうくらいに反応している。なのにあの人は、やっぱり科学や実験の方が大事なんだろうな。手のひらにはロイドから渡されたリモコンがあった。この、内壁のうずきを無くすためには仕方ない。スザクはそう自分に言い聞かせてスイッチを入れてみた。
「ひぃぁ…あぅ、や、ぅ…」
しまった、ちゃんと下着を脱いでから動かせばよかったと後悔する。ナカの機械が振動を始めた瞬間、スザクは達してしまった。ビチョビチョになってしまった下着の感触が気持ち悪い。自分がスイッチを切らない限り、ナカを犯し続けるこの機械に、いいように乱されてしまう。なんの温かみのない機械音に、言い様のない切なさを感じる。
「ぁん…ゃ、ルル、シュ…」
愛しい人は側にはいない。涙と精液でぐちゃぐちゃになりながら、意識に浮かんだルルーシュに、早く会いたい。その一心で、スザクはふらふらとたち上がった。そういえばこのごろ、忙しくて抱いてもらっていなかった。ロイドはそのことに気付いていたのだろうか?
ロイドの台詞を頭で反芻しながらスザクは思った。彼なりに協力してくれたのだろう。そう思わないと、許せない!
あきらめたようにため息をつき、スザクは一歩ずつ、足を進めた。ルルーシュに会うために、もう一度アシュフォード学園に向かうのだ。
スザクの後口を埋める紫は、変わらず鈍い電子音を立てていた。
2007/4/6
終